12月13日(土)晴れ。
『ASKA SYMPHONIC CONCERT TOUR 2008 “SCENE” REPLAY』が、香港カルチャーセンターにて行なわれました。香港といえば、1994年にCHAGE and ASKAとしての初めての海外公演を行った地。今回は、1996年の『ASIAN TOUR Ⅱ』以来、約12年ぶりの公演となりました。会場の香港カルチャーセンターは、オペラやバレエ、ミュージカルなどの公演も開催される総合芸術文化施設。目の前は、ビクトリア・ハーバーで、九龍と対岸の香港島をスターフェリーが往来します。夜になると、香港島のビル群に煌びやかなイルミネーションが灯り、クリスマス間近ということもあって、会場周辺は世界各国の観光客で賑わっています。
12月13日 晴『ASKA SYMPHONIC CONCERT TOUR 2008 “SCENE” REPLAY』在香港文化举行,香港来说,也是94年ca初次海外公演的地方。这里是96年 asian tour II 之后, 久违的12年后的公演。会场的香港文化中心是可以举行歌剧,芭蕾,音乐会等的综合艺术文化设施。眼前是维多利亚港,九龙和对面的香港岛有星级游轮(??)往来。夜晚到来,香港岛。。。。。。
そんな賑わいのなか、オーケストラのメンバー、現地スタッフに挨拶をしながら会場入りしたASKA。今回は、日本のTokyo New City Orchestra(以下、TNCO)からも、12人のメンバーが加わり、現地のCity Chamber Orchestra of Hong Kong(以下、COHK)とのコラボレーションとなりました。COHKは、欧米人の方々も多く国際色豊か。
リハーサル前に、「今日は一緒に楽しみましょう」とASKAが挨拶すると、メンバーから拍手が起こります。演奏がスタートすると、メンバーの視線は指揮者・藤原氏のタクトへ一直線。リハーサルが進むに連れて、演奏とASKAの歌声の伸びもどんどん増していきます。曲が終わるたびに、お互いを称えるような雰囲気に。まるでこのまま本番へ突入していくかのようでした。
楽屋に戻ったASKAにリハーサルの感想を聞いてみると、「いままでのオーケストラともまた演奏が違うし、曲のキャラクターを理解してくれてるから、すごく歌いやすいね」ととても満足そう。シンガポール、バンコク、上海、そして日本国内の各地オーケストラとコラボレーションをしてきたASKA。ここにきても、まだまだ新しい発見があるようです。
いよいよ本番スタート。ASKAがステージに姿を現すと、今ツアーのどこの会場にも負けないくらいの大きな拍手と歓声で迎えられました。深々とお辞儀をして、会場全体を見渡すASKA。12年前の香港の情景を思い浮かべるかのように、目を閉じて丁寧に歌い上げます。その歌声に、12年という歳月が一瞬でなくなったように感じました。
曲が進むにつれ、香港でもよく知られている『伝わりますか』『晴天を誉めるなら夕暮れを待て』『月が近づけば少しはましだろう』など、イントロが鳴り出すたびに拍手と大歓声に包まれます。客席もステージも、格式高いクラシックコンサートを楽しむというよりも、むしろ心と身体の感じるままに音楽を楽しんでいる様子。コンサートの途中、「アドリブでやってみようかな」と澤近氏のピアノとASKAの歌声で、JAZZYな曲を即興で披露。これには、客席だけでなく、ステージ上のBOHK、TNCOのメンバーからも大きな拍手が沸き起こりました。この即興は、『ASKA CONCERT TOUR 05 » 06 My Game is ASKA』でも披露したスタイル。ASKAの音楽に対する懐の深さと、澤近氏の自在な演奏に、“音楽はルールがあるようでなく、自由でいいんだ”という印象を強く受けました。
歌えば歌うほど磨きがかかっていくASKAの歌声と、それに寄り添うような温かい演奏。時間の経過を忘れるくらい、その音色に包み込まれる会場内。最後には「We are 朋友(パンヤオ=友達)」と客席に語りかけ、アンコール最終曲『SAY YES』を歌い上げました。オーケストラを見守るように後ろを振り返るASKA。飾り気のないその後ろ姿は、満足感と達成感と、そして音楽に対する感謝が感じられました。客席とBOHK、TNCOのメンバーに頭を下げ、藤原氏とともにASKAがステージを後にしてからもしばらくスタンディングオベーションは鳴り止まず、その拍手が合唱のように会場内に響き渡っていました。そしてその拍手は、「この12年間ずっと待っていた」という、香港のオーディエンスからASKAに対するメッセージのようにも感じました。